現在のパルデアから約800年前、そこには最後の王女であるカタラーナと彼女の婚約者であるファルトンという、唄を作ることと歌うことが趣味の少し抜けた優しい男性が居た。彼らは共に過ごす未来を夢見ていたが、戦争によってその運命は大きく変わることになる。
カタラーナは王国を守るために戦う決意を固め、彼女の命もまた戦火の中で散った。深い悲しみの中、ファルトンはカタラーナの死を受け入れられず、彼女を思い続けながら過ごす日々の中で、彼女の姿をかたどった炎の人形を作り始める。その人形は彼にとって、彼の愛するカタラーナそのものとなり、時間を越えて彼の傍らに常に存在することとなる。
だが、時を越えてファルトンはその人形に込めた深い想いに悩まされ続ける。愛する者を失った悲しみと、それを克服しようとする試みが彼の心を惑わせ、800年もの間彼を彷徨わせていた。
そして今、ファルトンは再び歩き出す。目の前に現れるのは、かつての愛した王女ではなく、未来から来た半アンドロイドとなったカタラーナ。彼女は彼の愛するカタラーナなのか、それとも別の存在なのか――その問いに答えが出ることはきっとこの先ないだろう。それでも彼らは互いを愛し続ける。